Art Gallery

日本の肖像画家高木政行とロシアの風景画家ヴャチェスラフルビャノフの作品を紹介します。


肖像画家 高木 政行

子供の頃から絵を描くのが好きだったという高木政行氏は、20年前から本格的に油彩の人物画を描いています。

高木政行氏の個展の様子

高木政行氏が描く舞妓さんは慈愛に満ちており、絵画を見ている私たちに対して、今にも語りかけてくるかと思うほどに、写実的です。

ここでは、舞妓さんの人物画3点を作者の解説付きで紹介します。

舞妓さんが大きな鏡の前

絵画教室の休憩時間にモデルの舞妓さんが大きな鏡の前で、手鏡も持って化粧直しをしているところです。舞妓さんの魅力は正面の顔や着物の美しさはもちろん大切ですが舞妓さんだけの特別な、だらりの帯や後ろ髪の生え際から背中までの色気(女らしい上品なセクシーさ)さらには髪型の美しさが同時に見ることのできる珍しい瞬間でした。思わずカメラでスナップ写真を撮りました。そして構図を工夫して油絵に仕上げました。Norman・Rockwellという古いアメリカのイラストレーターで“Girl at the Mirror”という絵があります。思春期の少女が鏡の前で座った、正面と後ろ姿の見える絵で昔、アメリカの美術館でポスターを買ったことを思い出しました。

舞妓さんの絵、七月の京都

七月の京都は祇園祭という伝統的なお祭りでにぎわいます。京都の街の中に山鉾(やまぼこ)という2階建ての家の高さほどの背の高い乗り物を組み立てて、きれいに飾り、2階部分にひとが乗って笛や太鼓、鉦(かね)で祇園祭の曲を演奏します。その祇園祭の頃スケッチした舞妓さんを油絵に仕上げました。着物の柄はアジサイです。手には団扇を持ってちょっと緊張した表情をしています。彼女は舞妓になったばかりの新人で口紅は下唇だけで、上唇には紅をさしません。(塗りません という意味)団扇には所属する置屋(おきや:プロダクションのようなところ)の家紋(かもん:crest)が書いてあり、裏には舞妓さんの名前が書いてあります)日本の作法として(マナーとして)畳(たたみ)の縁(へり:edge rim 茶色の線の部分)には座りません。

笛を奏でる舞妓さん

舞妓さんが笛を演奏している姿です。バックの黄色い部分は華やかさを狙って金箔を貼って、彼女の立ち姿を線描きで描いてみました。舞妓さんは舞の他に日本の楽器、三味線、笛、鼓(つづみ)や書道、茶道、日本画、を学校の生徒と同じように習っています。特に舞と楽器演奏は大切です。この舞妓さんは超人気者の舞妓さんですが、2回スケッチ会で描く機会がありました。この絵は2回目の時で大変落ち着いた自信にあふれた舞妓姿でした。彼女は親善事業の一環でパリやタイにも訪問して日本の伝統文化の紹介をしています。NHKのドキュメンタリー番組にも出演していました。


風景画家 Vyacheslav LUBYANOV
(ロシア)

Vyacheslav LUBYANOV氏は、自然の雰囲気を絶妙に感じ取るプロの風景画家です。彼の絵には、暖かさと光があふれています。彼はロシアを広く旅しており、彼の絵画にはその多様な姿が反映されています。ルビャノフ氏は、南部連邦大学の芸術学部長であり、ロシアの名誉芸術家の称号を持っています。彼の作品の多くは、美術館や個人のコレクションに収められています。

雪と太陽

「雪と太陽」油彩・キャンバス、80х100、2009年

「夏」油彩・キャンバス、83х100、2010年

古い公園

「古い公園」 油彩・キャンバス、60×80、2013年 (個人蔵)

秋のスケッチ

「秋のスケッチ」油彩・キャンバス、50х70、2013年

ドン川の春

「ドン川の春」油彩・キャンバス、80×100、2019年 (ロストフ・リージョナル・ミュージアム・オブ・ファイン・アーツ)

土曜日の午後

「土曜日の午後」 油彩・キャンバス、80×90、2010年(タガンログアートミュージアム)

暖かい夜

「暖かい夜」 油彩・キャンバス、73х86、2009年

コサックの村スタロチェルカッスカヤの冬の朝

「コサックの村スタロチェルカッスカヤの冬の朝」油彩・キャンバス、80×100、2009年

トヴェール地方のムスタ川の秋

「トヴェール地方のムスタ川の秋」 油彩・キャンバス、70х90、2011年

初雪の様子

「初雪の様子」油彩・キャンバス、87х105、2013年